テクノロジー研究・解析
高減衰ゴムの可能性をさらに拡大
高減衰ゴムや制振技術のさらなる進化と、広く一般に普及させることを目指して、大学の研究機関との共同研究を実施、さまざまな分野への実用化が進んでいます。
ビル用ダンパーは公的証明を取得しています
住友ゴムのビル用高減衰ダンパーは、(財)日本建築総合試験所(GBRC)にて、建築技術性能証明書を取得しています。
GBRC 性能証明 第11-30号 (2012/3)『イソプレンゴム系粘弾性体を用いた粘弾性ダンパー』 (GR4015-GR4/GR4020-GR4)』
解析モデル・解析事例
高減衰ゴムの特徴を捉えた高精度の解析モデルを作成し、汎用動的解析プログラムに搭載済みです。
性能証明GBRC11-30号
(1)等価剛性 Keq(kN/mm)
粘弾性体(高減衰ゴム)の非線形復元力特性を、等価な線形の復元力に置換えたときの剛性をいう。以下の式に基づき、算出を行う。
\( \text{等価剛性} \)
\( \mathrel{K_{eq} = \dfrac{Q_{max}-Q_{min}}{X_{max}-X_{min}}} \) (kN/mm)
\( Xmax \) :履歴ループの最大変位(mm)
\( Xmin \) :履歴ループの最小変位(mm)
\( Qmax \) :履歴ループの最大変位時の荷重(kN)
\( Qmin \) :履歴ループの最小変位時の荷重(kN)
(2)等価粘性減衰定数 heq
等価剛性と吸収エネルギーにより求まる減衰効果を表す指標。吸収エネルギーと歪エネルギーの面積比として以下の式で表現される。
\( \text{等価粘性減衰定数}\)
\( \mathrel{h_{eq}=\dfrac{1}{4\pi }\cdot \dfrac{\Delta W}{W}} \)
\(ΔW\) :吸収エネルギー(kN・mm)、履歴ループ内の面積
\(W\) :歪エネルギー(kN・mm)、等価剛性および最大変位と最小変位との平均から求められる三角形の面積
\( W = \dfrac{K_{eq}}{2} \cdot ( \dfrac{X_{max}-X_{min}}{2} )^{2} \)
(3)等価せん断弾性係数 Geq(N/mm2)
粘弾性体(高減衰ゴム)の形状に関わらず材料の特性を示す係数で、等価剛性KeqをS/tで除いたものを等価せん断弾性係数という。
\( \text{等価せん断弾性係数} \)
\( \mathrel{G_{eq} = \dfrac{K_{eq}}{(S/t)} \cdot 1000} \) (N/mm2)
\(t\) :粘弾性体厚み(mm) \(S\) :粘弾性体せん断面積(mm2) ※性能証明説明資料より抜粋