製造工程
すべての製造工程において社内基準や外部の規格に基づいて品質管理を行っています。
住友ゴムでは以下の品質管理体制の下、信頼性の高い製品をお届けしています。
使用材料
ダンパー製造にあたっては、各種規格に適合する信頼性の高い材料を使用しています。
項目 | 適合規格、認証 | ||
---|---|---|---|
粘弾性ダンパーシステム | 粘弾性ダンパーユニット | フランジ | JIS G 3106 |
高減衰ゴム | GBRC 性能証明 第11-30号 | ||
ダンパー支持架台 | JIS G 3106 | ||
接合PL類 | 添接板 | JIS G 3106 | |
スペーサー | JIS G 3101 JIS G 3131 JIS G 3141 | ||
ボルト | S10T(トルシア型) | 大臣認定品 | |
F10T(高力ボルト) | JIS B 1186 | ||
仮設材 | Lアングル | JIS G 3101 | |
仮固定ボルト | JIS B 1180 | ||
さび止め塗装 | JIS K 5674 1種 ※ |
※標準は鉛・クロムフリーさび止めペイントとなります。他の仕様についてはご相談下さい。


出荷時検査-性能試験
粘弾性ダンパーユニットの定常加振試験を行い、性能評価サイクルの履歴特性値(Geq,heq)の確認を行っています。
検査場所および検査機概要
- 試験機名
- 100tサーボパルサ試験機(島津製作所)
- 試験機性能
- 最大荷重100t、最大速度15mm/sec
- 試験場所
- 住友ゴム工業株式会社 加古川工場
試験方法
粘弾性ダンパーユニットを試験機に取り付け、所定変位を4サイクル繰り返し与え、試験機内部の変位計およびロードセルにより荷重変位曲線を得る。



試験条件
等価せん断弾性係数 \( Geq \)(N/mm2)
- 試験方法、及び算出方法
- 製品の定常加振試験より得られた履歴曲線を基に、等価剛性を、せん断歪、サイクル数、周波数、温度
- 頻度
- 全数
等価粘性減衰定数 \( heq \)
- 加振条件
- 正弦波4サイクル(振幅:せん断歪 100%相当、振動数:0.05〜0.1Hz)
- 頻度
- 全数
- 検査項目(履歴特性値)
- せん断弾性係数 \( Geq \)、等価粘性減衰定数 \( heq \)
※1 測定温度が20℃と異なる場合、温度換算を行う。
履歴特性値の定義
粘弾性ダンパー履歴ループ


- ダンパーとしての特性値
- 等価剛性 \(Keq\)、吸収エネルギー \(ΔW\)、歪みエネルギー \(W\)
- 材料固有の特性値
- せん断弾性係数 Geq = Keq×d/S
等価粘性減衰定数 heq = ΔW/(4πW) ※heqはエネルギー吸収効率に相当する指標
温度換算の検査方法
ダンパーユニットの性能基準値は主に20℃時で規定しており、試験時の温度ばらつきについては温度補正を行います。温度補正係数については、予め縮小試験体で確認した変化率に基づく近似式を用います。
温度依存性の近似式の例(ゴム配合GR400)
■ せん断弾性係数 Geq(等価剛性 Keq)
\[ \alpha_{1} = 0.0004T^{2} - 0.039T + 1.62 \]■ 等価粘性減衰定数 heq
\[ \alpha_{2} = -0.0012T + 1.024 \]出荷時検査 - 寸法・外観検査
主にゴム部の寸法や、接合に関わるボルトピッチの確認を実施しています。
出荷時検査 - 塗装膜厚検査
防錆塗装については膜厚確認を実施しています。
種別 | 規格値 | 測定方法 | 頻度 |
---|---|---|---|
粘弾性ダンパーユニット | 使用塗料に準じる | 電磁膜厚計にて測定 | 全数 |
性能試験における品質管理
令和元年9月30日に発布された国住指第1869号 への対応として、下記を実施しています。
性能検査結果の信頼性および正確性を確認するために必要な記録を、必要な期間保存する- 性能試験における一次データ(試験生データ)および二次データ(温度補正前後履歴特性値データ)は自動保存され、必要な期間保管するシステムとしている。
製品の検査結果について、改ざん防止のための措置を講じる- 一次データと二次データの保存は、上記のとおり、自動化されている
- 検査プログラムは、品質管理推進責任者の許可なく変更することは不可能である。
- 検査機について、定期的な校正および校正記録を残している。
発注者又は発注者が指定する第三者が、製品が所定の性能を満たしていることを確認するために必要な事項を社内規格に定める。- 試験機のシステムおよびデータ保存のルールを規格化した標準書類を制定し、これに基づく管理を行う。
- 製品性能の確認にあたっては、発注者又は発注者が指定する第三者の求めに応じて、保存データを開示する。
※一部対応していない製品もございます。
- 一次データと二次データの保存は、上記のとおり、自動化されている
- 検査プログラムは、品質管理推進責任者の許可なく変更することは不可能である。
- 検査機について、定期的な校正および校正記録を残している。